検索力より保存力、な時代の話

「あれ、前にどっかで見たのに」――このセリフ、月に何回言ってるだろう。私は結構言ってる。アニメの考察ツイートとか、漫画のあのコマの元ネタ解説とか、確かに読んだはずなのに、いざ人に話そうとすると出てこない。検索窓を開いて唸る、あの時間よ。

探す力はもう、みんな同じくらい持ってる

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昔は「情報を探せる人」が強かったんだと思う。検索の言葉選びがうまい人、まとめサイトを知ってる人、考察勢のフォロー先を知ってる人。でも今って、公式が考察を否定も肯定もせずファンアートを紹介したり、感想スレの要約botが勝手に流れてきたり、探す前に情報のほうから寄ってくる感じがある。検索力の差って、正直そんなに開かなくなった。誰でもある程度は同じ場所にたどり着ける。

じゃあ何で差がつくかというと、たどり着いた情報をその場で消費して終わりにするか、後で使える形に残しておくかなんじゃないかと思う。私はこれ、けっこう本気で思ってる。一度読んだ考察も、三ヶ月後の自分にとっては初見と同じ。忘れる前提で残す、っていう発想がないと、同じ情報を何度も探し直すループから抜けられない。

推し語りのストックは、財産になる

感想って、その場の熱量で書いたやつが一番おもしろい。放送直後に勢いで打ち込んだ「このシーン泣いた」ってメモ、後から読み返すと自分でもちょっと笑う。でもそれが数ヶ月後、続編が発表されたときとか、友達と「あの作品どうだった?」って話すときに、めちゃくちゃ効いてくる。当時の自分の温度がそのまま残ってるから。

スクショも同じ。好きなシーンを撮っておくのはいいとして、フォルダの奥に沈めたままだと、探す力の勝負に戻ってしまう。撮った瞬間に一言タグをつける、それだけで再利用可能な情報になる。「〇〇話 泣ける」「伏線っぽい」くらいのメモでいい。私はこの一手間をサボると、大体半年後に後悔してる。

ノートアプリでも、SNSの下書きでも、紙のメモ帳でもいい。手段はどうでもよくて、「後で自分が検索できる状態にしておく」っていう視点があるかどうかが分かれ目だと思う。

時間の節約は、実は「保存」から始まってる

節約って聞くとお金の話に寄りがちだけど、時間もコストだ。同じ情報を二度探すのに使った時間は、他の楽しみに使えたはずの時間でもある。考察を思い出すのに30分検索して、結局見つからずモヤモヤする、っていう体験が積み重なると、趣味そのものが少し疲れるものになってしまう。それはちょっと悲しい。

逆に、感想や考察を自分なりの形でストックしておくと、それを見返すこと自体が趣味の一部になる。過去の自分が書いたメモを読んで「あの時こんな熱量だったな」って懐かしくなる時間、あれは探す時間とは別種の、豊かな時間だと思う。お金をかけずに趣味の満足度を上げる方法として、これは地味だけどかなり効くと私は思ってる。

正直に言うと、私は「探す力を磨く」より「残す力を磨く」ほうに完全に舵を切った派だ。新しい検索テクニックを覚えるより、自分専用のメモの型を作るほうが、長い目で見て楽になる。これは好みの話でもあるけど、趣味を長く続ける上ではっきり効いてくる差だと思っている。

情報が溢れてる時代だからこそ、探す力の価値は相対的に下がって、「あとで使える形にしておく力」のほうが希少になってきてる。これ、趣味に限らず仕事のメモとかでも同じ話な気がするけど、そこはまた別の機会に。

ではまた。

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