iDeCoの年末調整、戻るのは所得税分の1.4万〜9.3万円。住民税は翌年度に軽く

本記事はプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

iDeCoに月2.3万円を払っている会社員が、年末調整で戻ってくるお金はいくらか。答えは所得税率しだいで、税率5〜33%なら約1.4万円〜約9.3万円です。

この記事の「年末調整で戻る」は、掛金を自分の口座から払う「個人払込」の人の話です。掛金を給与から天引きする「事業主払込」の人は、所得税の軽減が毎月の給与ですでに反映されています(詳しくは後半で説明します)。

そして、ここに一つ落とし穴があります。年末調整で戻るのは「所得税」の分だけです。住民税の分(年2万7,600円)は、12月の給与には入りません。お金が振り込まれるのではなく、2027年度(2027年6月から)の住民税が安くなる形で効いてきます。

「思ったより戻ってこない」と感じる人の多くは、この時間差を知らないだけかもしれません。この記事では、国税庁・厚生労働省・iDeCo公式サイトの情報だけを使って、次の3つを整理しました。

  • 掛金の額と税率ごとに、年末調整でいくら戻るか(早見表)
  • 証明書が届かない・なくした・間に合わないときの対処
  • 2026年12月分から上限が月6.2万円になる話と、今年の年末調整の関係

結論:年末調整で戻るのは「掛金×所得税率」だけ

iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除の対象です。国税庁の説明では、控除できる金額は「その年に支払った掛金の全額」です。

所得控除とは、税金を計算する元の所得から差し引ける額のことです。掛金27万6,000円(月2.3万円×12か月)を払えば、課税される所得が27万6,000円減ります。

減る税金は、次の2つに分かれます。

税金 減る額の目安 いつ戻るか
所得税(復興特別所得税込み) 掛金×所得税率×1.021 年末調整(12月か1月の給与)
住民税(所得割) 掛金×10% 翌年6月からの住民税が下がる

住民税の所得割は、標準税率が10%(道府県民税4%・市町村民税6%)です。総務省の説明どおり、住民税は前年1〜12月の所得で計算されます。そのため、2026年に払った掛金の効果は、2027年度の住民税に出てきます。

年末調整の結果は勤務先から市区町村に送られます。住民税のために別の手続きをする必要はありません。

早見表:掛金と税率で、年末調整の戻りはこう変わる

所得税率は、年収ではなく「課税される所得金額」で決まります。国税庁の速算表では、5%から45%までの7段階です。下の表は、そのうち主な5段階(40%・45%は省略)を抜き出したものです。

課税される所得金額 所得税率
195万円未満 5%
195万円〜330万円未満 10%
330万円〜695万円未満 20%
695万円〜900万円未満 23%
900万円〜1,800万円未満 33%

この税率に、2.1%の復興特別所得税を上乗せして計算しました。iDeCoの主な掛金額ごとの結果が次の表です。年末調整で戻るのは、個人払込の人の場合です(事業主払込の人は、同じ額が毎月の給与の源泉徴収で少しずつ反映済みです)。

所得税率 月1.2万円(年14.4万円) 月2万円(年24万円) 月2.3万円(年27.6万円)
5% 約7,400円 約1万2,300円 約1万4,100円
10% 約1万4,700円 約2万4,500円 約2万8,200円
20% 約2万9,400円 約4万9,000円 約5万6,400円
23% 約3万3,800円 約5万6,400円 約6万4,800円
33% 約4万8,500円 約8万900円 約9万3,000円
住民税(翌年度) 1万4,400円 2万4,000円 2万7,600円

たとえば、所得税率20%で月2.3万円を払う人なら、年末調整で約5.6万円、翌年の住民税で2.76万円。合わせて約8.4万円の税金が減ります。

厚生労働省のチラシにも「毎月2万円ずつ拠出した場合、年間7万2千円の節税効果(所得税20%、住民税10%の場合)」という例があります。この数字は復興特別所得税を含まない計算です。表の月2万円・20%の行(約4万9,000円+2万4,000円=約7万3,000円)とほぼ一致します。

自分の税率を知る方法

手元にある前年の源泉徴収票で、おおまかに確かめられます。「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた額が、課税される所得金額の目安です。

注意点が2つあります。

  • 税率の境目にいる人は、表どおりになりません。掛金の控除で課税所得が下の段階に下がると、一部は低い税率で計算されます。
  • もともと所得税がゼロに近い人は、戻る額もゼロに近くなります。引ける税金がなければ、控除を増やしても戻りません。

表は「その税率の範囲に収まっている人」の目安として見てください。実際の額は、100円未満の端数処理などで少しずれます。

手続き:証明書を保険料控除申告書に添付するだけ

会社員がやることは1つです。勤務先から配られる「給与所得者の保険料控除申告書」の、小規模企業共済等掛金控除の欄に掛金の合計額を書き、証明書を添付して出します。国税庁も、年末調整ではこの申告書に記入すると説明しています。

使う証明書は「小規模企業共済等掛金払込証明書」です。iDeCo公式サイトによると、個人払込の加入者には、国民年金基金連合会から毎年10月に送られてきます。ハガキ1枚なので、ほかの郵便に紛れやすい書類です。

証明書に書かれている金額の意味

10月に届く証明書は、その年1〜9月に引き落としがあった人が対象です。金額には、すでに払った分に加えて、12月までに払う予定の分が含まれています(SBI証券の案内では「払込金額と払込予定金額の合計額」)。

年の途中で掛金を変えたなどで合計額が変わった場合は、追加の証明書が自動で発行されます。この場合、自分で再発行を頼む必要はありません。

「給与天引き」の人には証明書が来ない(手続きも不要)

掛金を給与から天引きする「事業主払込」の会社員には、証明書は発行されません。iDeCo公式サイトのよくある質問では、事業主が給与計算の際にiDeCoの掛金の額を控除して源泉徴収税額を出し、年末調整もその納付済掛金額に基づいて行う、と説明されています。

つまり、事業主払込の人は、所得税の軽減が毎月の給与ですでに反映されています。年末調整でまとめて戻ってくるお金はありません。証明書が来なくて焦る前に、自分の払い方を確かめてください。

証明書をなくした・届かない・間に合わないとき

検索で多いのが「証明書 間に合わない」です。状況別に整理します。

なくした場合:再発行できる(2〜3週間)

再発行は、加入している金融機関(運営管理機関)に申し込みます。三菱UFJ銀行の案内では、申請書を印刷して記入し、iDeCo事務センターに郵送します。届くまで2〜3週間かかります。

同じ案内では、当年分を含めて過去5年分の再発行ができるとされています。年末調整の締め切りが近いなら、なくしたと気づいた日に申し込むのが安全です。

マイナポータルで電子データを受け取る方法もあります。SBI証券の2025年分の案内では、電子データは10月下旬から順次発行され、勤務先が電子の年末調整に対応していればそのまま提出できるとされていました。2026年分の発行時期と、勤務先が電子提出に対応しているかは、それぞれ確認が必要です。

初めての引き落としが10月以降の場合:証明書は11月〜1月に届く

今年からiDeCoを始めた人は要注意です。iDeCo公式サイトによると、初回の掛金の納付が10月以降の人には、納付月の翌月(11月から翌年1月)に証明書が送られます。

勤務先の年末調整の締め切りに間に合わないことは、普通に起こります。

間に合わなかった場合:確定申告で全額取り戻せる

iDeCo公式サイトも「年末調整に間に合わない場合は、確定申告が必要です」と案内しています。確定申告書の小規模企業共済等掛金控除の欄に書き、証明書を添付します。

これは税金を払う申告ではなく、払いすぎた税金を返してもらう「還付申告」です。国税庁によると、還付申告書は翌年1月1日から5年間提出できます。3月15日を過ぎても受け付けてもらえます。

年末調整に間に合わなくても、損は確定しません。手間が1回増えるだけです。逆に、証明書を出さずに何もしなければ、表の金額をそのまま取りこぼします。

なお国税庁によると、令和8年分(2026年分)以後の確定申告書を2027年1月1日以後に出す場合は、証明書の添付・提示の代わりに、一定の事項を書いた明細書を添付する方法も使えます。

2026年12月分から上限が月6.2万円に。今年の年末調整は関係ない

iDeCoの掛金の上限は、2026年12月から大きく上がります。厚生労働省の資料「iDeCo拠出限度額の引き上げ」によると、改正前後の上限は次のとおりです。

区分 今の上限(月額) 改正後(月額)
会社員(企業年金なし) 2.3万円 6.2万円
会社員(企業年金あり)・公務員 最大2万円(月5.5万円−企業型DCの事業主掛金額やDB等の掛金相当額。会社によってはそれ以下) 企業年金等と合計で6.2万円
自営業者など(第1号) 6.8万円(国民年金基金等と合計) 7.5万円(国民年金基金等と合計)

企業年金がある人の今の上限は、2024年12月の改正で決まったものです。厚生労働省のチラシでは、たとえば企業型DCとDBの掛金の合計が4万円なら、5.5万円−4万円で上限は1.5万円になる、という例が示されています。

企業年金がある会社員は、6.2万円から企業年金の掛金分を引いた額がiDeCoの上限になります。厚生労働省の公務員向けチラシでは、公務員の上限は「62,000円-8,000円(共済掛金相当額)」で5万4,000円と書かれています。

ここで大事なのが時期です。厚生労働省の資料には「2026年12月(2027年1月引き落とし分)から」とあります。iDeCoの掛金は、その月の分が翌月に引き落とされる仕組みです。

所得控除は「その年に支払った掛金」が対象です。つまり、増えた掛金を最初に払うのは2027年1月です。2026年の年末調整に、上限アップの効果は1円も入りません。効果が出るのは2027年分の年末調整からです。

もう一つの注意点は、上限が上がっても掛金は自動で増えないことです。増やしたい人は、運営管理機関で掛金額の変更手続きが必要です。厚生労働省のチラシによると、2026年12月分からの掛金額変更は2026年9月頃から受付予定とされていました。オンライン手続きのe-iDeCoでは2026年12月1日〜24日に手続きできますが、e-iDeCoを使えるかどうかは運営管理機関によって違います。手続きの内容によっては12月分に間に合わない場合もあります。

参考までに、月6.2万円(年74.4万円)を払った場合を同じ式で計算しました。所得税率20%なら、年末調整で約15万2,000円、翌年の住民税で7万4,400円です。合わせて約22.6万円の税金が減ります。

ただし、iDeCoのお金は原則60歳まで引き出せません。節税額だけ見て掛金を上げると、手元の生活費が苦しくなることもあります。上限いっぱいにするかは、家計の余裕で決めるべき話です。

iDeCo・新NISAの入門書

iDeCo・新NISAの入門書

1738円・レビュー16件・評価4.63

楽天市場で見るAmazonで見る

受け取るときの税金も、セットで見ておく

iDeCoの税金のメリットは、払うときの控除だけではありません。受け取るときも、一時金なら「退職所得控除」、年金なら「公的年金等控除」の対象になると、厚生労働省のチラシに書かれています。

ただし、会社の退職金も同じ退職所得控除を使います。受け取る時期の組み方しだいで、税金が変わります。退職所得控除の計算式は、別の記事で国税庁の式を使って試算しています。

三井住友信託が退職金の「年功」を廃止。でも税金は年功のまま、同じ1,500万円でも15年×2社は30年×1社より約22万円多く払う試算【2026年10月】

まとめ:ハガキ1枚で数万円。出さないのが一番の損

年末調整でのiDeCoのポイントを並べると、次のとおりです。

  • 個人払込の人が年末調整で戻るのは「掛金×所得税率×1.021」。月2.3万円なら税率5〜33%で約1.4万〜9.3万円
  • 住民税の分(掛金の10%)は、2027年度の住民税が下がる形で効く
  • 証明書は個人払込の人に10月にハガキで届く。給与天引きの人には来ず、軽減は毎月の給与で反映済み
  • なくしたら再発行(2〜3週間)。間に合わなければ確定申告で5年以内に取り戻せる
  • 上限6.2万円への引き上げは2027年1月引き落とし分から。今年の年末調整には関係ない

iDeCoは、払った時点で節税の権利が決まっています。あとは書類を1枚出すかどうかだけです。一番もったいないのは、証明書が見つからないまま年末調整をやり過ごすこと。今週中に郵便物の山を確認しておく価値は、数万円分あります。

出典

関連記事

車検の追加費用、その場で払う必要があるのは「不合格になる項目」だけ。1.5tの車は13年目に重量税が9,600円上がる

車検の追加費用、その場で払う必要があるのは「不合格になる項目」だけ。1.5tの車は13年目に重量税が9,600円上がる

本記事はプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。 結論:その場で払う必要があるのは「不合格になる項目」だけ 車検…

月14万で家族3人は平均の43%。差額18万円は食費より「家と車」で決まる

月14万で家族3人は平均の43%。差額18万円は食費より「家と車」で決まる

本記事はプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。 月14万円で家族3人の生活費は、全国平均のおよそ43%です。総…

コンビニコーヒーは最大年3.8万円。水筒は出勤32日で回収、最安は1杯20円のインスタント

コンビニコーヒーは最大年3.8万円。水筒は出勤32日で回収、最安は1杯20円のインスタント

本記事はプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。 結論:コンビニ通いは年3.4万〜3.8万円、水筒は出勤32日ほ…

おすすめ(おもろいの)

-ライフハック

© 2026 KINAKOの割りと優雅な節約