ニュースで「金利が上がりそうです」ってさらっと言われるたび、住宅ローン組んでる人・組もうとしてる人はザワッとすると思うんだけど、あれ、実際どれくらいザワつくべき話なのか、数字で見たことある人ってどれくらいいるんだろう。私は正直、フワッとした不安のまま「まあ上がったら困るよね」で済ませてた口だった。でも数字を並べてみたら、思ってた以上に生々しい差が出てきたので、今日はそれを共有したい。
金利0.5%と2.5%、たった2%の差が1200万円になる

試しに、借入3000万円・返済期間35年・元利均等返済という、わりとよくある条件で計算してみる。金利0.5%なら月々の返済額はだいたい7万8000円前後。これが金利2.5%になると、月々10万7000円前後まで上がる。月々の差は約2万9000円、年間で約35万円、35年間トータルだと1200万円を超える差になる。
1200万円って、車を何台買えるとか、子どもの大学4年分の学費が賄えるとか、そういうレベルの金額だ。金利って「%」という小さい数字で語られるから実感が湧きにくいけど、35年という長い時間軸に掛け算すると、こんな桁になる。「金利上昇が心配」という言葉の中身は、要するにこれのことなんだと思う。
返済比率25%と35%、余裕の差はここで出る
もう一つ、住宅ローンを考えるときによく出てくるのが「返済比率」という指標。手取りに対して月々の返済額がどれくらいの割合かを示すもので、一般的に25%以内なら安全圏、35%に近づくとかなりタイト、と言われることが多い。これも数字で追ってみる。
仮に月の手取りが50万円だとすると、返済比率25%なら返済額の上限は12万5000円、35%なら17万5000円。さっきの金利0.5%→2.5%のシミュレーションで返済額が7万8000円から10万7000円に増えたケースを当てはめると、返済比率25%で組んでいた人は「もともと余裕を残していた分」で吸収できてしまう可能性が高い。一方、最初から35%ギリギリで組んでいた人は、増えた2万9000円をどこかから削り出すしかなくなる。同じ「金利が2%上がった」という出来事でも、スタート地点の余裕度次第で、地獄にも日常にもなる。これは正直、金利そのものより組み方の設計の話だと思う。
金利予想を当てにする生き方は、たぶん割に合わない
じゃあ「これから金利は上がるのか下がるのか」を正確に読んで、それに合わせて動けばいいんじゃないか、という発想も出てくるんだけど、これは私、あまり乗らない立場をとっている。中央銀行の政策すら市場予想を裏切ることが珍しくない世界で、個人が数年先の金利を的確に読み切るのは、正直かなり分の悪い賭けだと思う。私自身、以前は「固定か変動か、金利動向を読んで選ぶもの」だと思い込んでいたけど、実際は「動向を読む」より「動いたときにどれだけ耐えられるか」を先に設計しておくほうが、よほど再現性のある話だった。
耐える設計というのは抽象的な精神論じゃなくて、具体的には「返済比率を25%以内に収める」「金利が2%上がった前提で月々の返済額を再計算し、それでも他の固定費(保険・通信・サブスクなど)を削らずに払えるか確認する」「変動金利を選ぶなら、その差額分を先に貯蓄や繰り上げ返済用に取り分けておく」といった、電卓一つでできる作業のこと。年に1回、金利1%刻みで返済額がどう変わるかを紙に書き出すだけでも、体感はだいぶ変わる。予想を当てるゲームじゃなく、シナリオを何本か用意しておくゲームに切り替える感じだ。
固定金利は「保険料を先払いして安心を買う」タイプ、変動金利は「安さと引き換えにリスクを自分で持つ」タイプ、というだけの違いで、どちらが正解ということはない。ただ、変動を選ぶなら、さっき出した1200万円という差額を自分が本当に飲み込めるのか、一度は数字で見ておいたほうがいい。見ないまま契約して、数年後にニュースで青ざめるのが一番もったいないパターンだと思う。
人生設計という大きな話にすると急に抽象的になりがちだけど、結局のところ住宅ローンの金利って、家計の中で一番桁の大きい変数の一つだ。子どもの教育費や老後資金より先に、この変数の振れ幅を把握しておくほうが、設計としては筋が通っている気がする。
とはいえ私も、この先の金利がどう動くかは正直まったく分からないし、分からないことを分からないままにしておく勇気も要る話だなと思っている。ではまた。
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