節約と投資、どっちを先にやるべきなんですかって、これ本当によく聞かれるんだけど。答えを急ぐ前に、そもそもこの二つを「どっちが正解か」で比べること自体、ちょっと乱暴なんじゃないかって最近思う。
SNSを見てると「節約なんて時給換算したら無駄、投資に回した方がいい」派と、「投資は不確実、節約こそ確実なリターン」派が延々とバトルしてる。どっちの言い分もわかるし、どっちも一部しか見てない気がする。
節約の強さは「確実に効く」ところにある
まず節約について正直に言うと、これはリターンが100%確定してる数少ない手段だ。月の固定費を5000円削れば、来月から確実に5000円浮く。株価みたいに上下しないし、暴落もしない。この「絶対に効く」という性質は、投資のどんな高利回り商品も持っていない。ここは冷静に押さえておきたいところ。
特に固定費──通信費、保険、サブスクみたいな「一度見直せばずっと効く」系の節約は、労力対効果がすごくいい。逆に食費を切り詰めて日々消耗するタイプの節約は、続かないし精神的にもしんどい。同じ節約でも中身によって全然話が違うのに、ひとくくりに「節約 vs 投資」で語られがちなのは、ちょっと雑だなと思う。
投資の強さは「時間」を味方にできるところ
一方で投資の話をすると、こっちの強みは複利と時間。同じ金額を積み立てても、始めるのが5年早いだけで最終的な資産形成の余地は結構変わってくる。これは今日いくら節約したかとは別軸の話で、「早く始めた者が有利」という時間の性質を持ってるのが投資の特徴だ。
ただし当然リターンは確定してない。上がる年もあれば下がる年もあるし、短期で見れば元本割れも普通にありうる。ここを「投資すれば増える」くらいの感覚で始めると、下落局面で心が折れて狼狽売りする、みたいな展開になりやすい。確実性のなさは、節約にはない投資特有のコストだと思っておいた方がいい。
種銭がなければ投資は始まらないという身も蓋もない現実
で、ここまで両方の強みを並べてみたけど、実際の順番の話をすると、身も蓋もないことを言わせてもらう。そもそも投資に回すお金がなければ投資は始まらない。当たり前すぎて誰も言わないけど、これが一番大事なポイントだと思う。
家計が赤字ギリギリの状態で「投資は自己責任、まず始めろ」みたいな話をされても、その原資はどこから出てくるのって話になる。生活防衛資金すら確保できてない段階で投資に手を出すのは、順番としてはやっぱり無理があると私は思う。ここは曖昧にせず、はっきり言い切っておきたい。
正直に言うと、私も昔は「投資さえ始めれば節約なんて細かいことは気にしなくていい」くらいに思い込んでいた時期があった。でも実際は逆で、支出の管理ができてない人が投資を始めても、結局生活費のために売却する羽目になったり、相場が崩れた時に生活が耐えられずパニック売りしたりする。節約で家計の土台を固めてない投資は、思ったより脆い。
じゃあ結局どっちを優先すべきなのか
ここまでの話をまとめると、私の立場ははっきりしてて、最初のフェーズは節約優先、種銭と生活の余白ができたら投資に軸足を移す、というシンプルな順番でいいと思ってる。節約と投資を対立させて選ばせる問い自体が、そもそも設計としておかしいんじゃないかと。
ただし誤解してほしくないのは、節約は「一生続けるべき最終目標」ではないってこと。固定費を見直して、生活防衛資金を確保して、余剰資金が生まれたら、そこから先はむしろ節約の優先度を下げて時間を味方にする方に舵を切っていい。永遠に切り詰め続けることに美学を感じすぎると、それはそれで人生のリターンを損なう気がする。
皮肉な言い方をすると、「節約か投資か」で盛り上がってる議論の多くは、両方とも中途半端にしかやってない人同士の水掛け論に見えることがある。固定費の見直しもろくにせず、投資の勉強もろくにせず、どっちが正しいかだけ議論してても家計は前に進まない。
順番としては地味な方から。節約で土台を作って、余力ができたら時間を味方につける投資へ。派手さはないけど、これが一番遠回りに見えて近道なんじゃないかと、今のところは思っている。
ではまた。