今回は無駄に長くなるので悪しからず
定価で買って高く売る人たちがいる。
俺たちからしたら、買いたいのに買えないと嘆く。
かといって、その製品は全然生産されない。
出たら、抽選とはいえなかなか手に入らない。
これの繰り返し。
せどりとは何かについては下記に書いてあるので読んでほしい。
需要と共有の差が転売を生む
例えば、PS5が全然ない時代。転売ヤーはせっせと抽選をして中には人を雇って当選確率を上げて購入している。それで得たPS5をメルカリやAmazonで売っている。商品として問題はなく今欲しいと思っている人たちが値段がどうであれ許せる範囲ならと購入する。
だいたいこんな感じで市場は成り立っている。
高い高いと言われつつも、PS5が100万円では誰も買わないけども8万円なら買ってしまう人がいる。これが市場価格というもので、定価等はあくまで設定されたものでしかない。
昔のゲームソフトが新品で売っていた場合。プレミア価格がついて一本3000円だったものが1万円超えることもある。逆に売れなさすぎたゲームが投げ売り価格で出されて100円で販売されることもある。
もともと定価があったのになぜ販売価格は違うのか、定価はあくまで定価。価格はほしい人たちが決める。ほしいものは定価以上でも買うし、そんなにほしくないものは定価でも買わない。
転売されてしまう条件は以下の通り。
- 生産終了品(昔のゲームソフト、人気のある型落ち商品)
- 発売後欠品状態(生産の遅れ等PS5やちょっと前のNintendo Switch等)
- 店舗でのみ販売(店舗限定品や特典、キャラもののイベント販売のみ商品)
- 初回生産限定(予約者限定、発売後人気爆発で数が少ないもの)
- 大量購入によるコスト削減で利益を取れるもの
他にもあるかもしれないが、だいたいこんな感じだ。人気があって実際の数が少ないものは格好の餌食となる。とはいえ手に入れるのは至難の業である意味ファンより努力している。もし転売に勝ちたいというなら転売と同じ動きをしなければそもそも勝てないということになる。
いわゆる希少価値が高いものが高く売れるのだが、数が少ないものを見つけて売るという行為自体は簡単なようで全くもって簡単ではない。人力なのかお金の力を使うのかどちらにせよ頭を使う作業となる。
生産が追いついていない商品が追いつきだしたら価格がどんどん下がる。欲しいと思った商品が定価で買えるからだ。
そこで考えて欲しいのが、転売がいるから価格が高いのではないということ。
高くても買う客がいるから、それを見越して販売する人がいる。
そもそも生産が少ないからいくらでも良いから欲しいという人が増える。
定価で買えないからどうのというより、定価で販売できないメーカーの生産状況がすべての価格を上げてしまっている。メーカーのせいなわけで、ファン全員に行き渡るだけの数量を作らないからそういったことが起きる。
転売に価格操作はできない。買う人がこの価格なら買うという値段で、ある意味適正価格で売られている。
十分な生産数ならば逆に数が余ってメーカーが負債を抱えることになる。ちょうどいい数を生産するのはメーカーの仕事であり、そんなことできるメーカーなんて存在しない。だから少なめに生産するのだ。
本なんかがいい例だろう。初版は10万部発行して売れたら重版する。最終的に100万部売れたとしよう。では最初に200万部発行していたらどうだろう。売れたのが100万部だったとしても、負債も100万部である。どれだけ売れるかなんかわからないから小出しに生産し販売する。だから利益が残るのだ。本はまだすぐに生産が可能だが、機械や他の物だとどうだろう。作るまでに1ヶ月、半年、一年かかるものもある。
生産されるまでのラグが転売にとって稼ぎ時になっている。生産さえされてしまえばもう誰も転売から買うことがなくなる。
お金のしくみを考える
市場価値がすべての価格を決める。市場価値とはすなわちお客様だ。この値段なら買いますという約束みたいなもの。
お金に意思はなく、形もない。それを扱う人たち同士で価値を決めていく。
価値を決めるのは常に買い手で売り手は買い手を想像して価値を決めていく。
その価値を目に見える物にしたのがお金である。
商品の原価、制作費等を組み込みこれくらいの価値ですと言われても買い手が高いと思えば買われず。
元値の100倍の価格でも価値があると思われれば買ってくれるのだ。
後述の例えで言えば、ホストやキャバクラで楽しく過ごして満足して払うお金がそれにあたる。
無駄に高いと思っている人は行かない。
その人がそれでいいと思ったものが金額になっている。思ってない人は払わないし関係ない。やすかった行くというのも関係無い人にあたる。
転売がなくならない理由
というわけで、買う人がその価格で買うというのがある限り、転売は消えず。
そう思わせてしまっているメーカーが生産を増やさない限り、転売は消えない。
メーカーからすれば商品は売れているからWIN
買い手は高いながらも欲しい商品だから買うのでWIN
転売も仕入れることができれば利益になるのでWIN
この三方良しが成り立っている以上、買えなかった人は蚊帳の外でしかない。
ほしかった商品がどこにも転売でも売っていなければ諦めるしかない。
そんな経験は誰しもしたことがあるだろう。
ネットが流行る前でいうと、たまごっちがどこにも売っていなくて、朝一でダイエーの行列に並んでまで買いに行った時代。転売は少なかったけれども、偽物がいっぱい売られていた。的屋と景品とか、露天なので売られていたりした。偽物でも欲しいから買っている人もいたのだ。
商品は絶対に適正な数が流通することはない。それこそ全国、全世界に向けて連絡をして受注生産でもしないかぎり。いや、受注生産をしても買う人、買わない人が出てくるので適正なぞありえない。
だからこそ価値がある。