「焼肉を食べている時だけが、自分だった」僕が借金500万の沼に沈むまで

「お金を使うことで、ストレスから逃げていませんか?」

かつての僕は、この問いに「YES」としか答えられませんでした。

東京での慣れない仕事、すり減る心、孤独な夜。
その全てから逃げるように、僕は飲み歩き、浪費し、そして気づけば500万円という借金の底にいました。

これは、僕が「ストレス浪費」という名の沼に、どうしようもなく沈んでいった日々の記録です。
もしあなたが今、同じような苦しさを感じているなら、どうか、僕の失敗を読んでください。

きなこ
無駄を省いて無駄なことするKINAKOですXをやってます

東京砂漠:上司と社長の板挟み、そして夜の街へ

全ての始まりは、30代で経験した東京への転勤でした。

任されたのは、未経験のネット販売の仕事。試行錯誤の日々。

しかし、それ以上に僕の心を蝕んだのは、上司と社長からの、終わりのない板挟みでした。

精神はすり減り、毎日はただ「しんどい」という一言。

プライベートでも、知らない土地での孤独が心を覆いました。

僕が逃げ込んだ先は、夜の街。

ほぼ毎日、誰かと飲み歩く生活。

家賃補助があり、お金に余裕があったはずなのに、毎月、魔法のようにお金は消えていきました。

当時の僕にとって、熱い鉄板の上でジュウジュウと音を立てる焼肉だけが、唯一、僕が「僕自身」でいられる時間でした。

高揚感と共に肉を頬張り、「明日も頑張ろう」と自分に言い聞かせる。

そんな、はかない錯覚で、僕はなんとか生きていました。

悪魔の囁き:「自分だけは逃げ切れる」という名のチキンレース

そんな中、僕は少しでも楽になろうと、かつて触ったことのある仮想通貨の世界に、再び足を踏み入れます。

それが、僕の運命の歯車を完全に狂わせる選択でした。

僕が手を出したのは、今思えば典型的な「ねずみ講」のような仕組みでした。

ビットコインで参加権を買い、ポジションを取ることで、さらにビットコインがもらえる。

冷静に考えれば、いつか必ず破綻するシステムです。

「あきらかに、これは持たないだろう」

そう、頭では分かっていました。

しかし、心の奥底で、もう一人の自分が囁くのです。

「これはチキンレースだ。でも、自分ならうまく立ち回って、破綻する前に大金を手にして逃げ切れるはずだ」と。

僕は、当時1BTC=10万円ほどだったビットコインを、7枚購入しました。

そして、その全てを失いました。

…今、この記事を書いている現在、1BTCは約1000万円を超えています。

もし、あの時、僕がただ7BTCを握りしめていただけなら、今頃、億り人になっていた計算です。

皮肉ですよね。

楽して稼ごうとした結果、僕は人生最大のチャンスを、自らの手でドブに捨てたのです。

借金200万、そして500万へ。壊れゆく心と体

全てを失った後、僕はその借金を返すために、節制を始めました。

しかし、一度狂った金銭感覚と、ストレスに満ちた生活は、そう簡単には元に戻りません。

そこに、新型コロナの追い打ち、自身の骨折による予期せぬ出費…。

ストレスは限界を超え、僕の体は悲鳴を上げ始めました。

毎朝、原因不明の吐き気をもよおしながら、無理やり会社に向かう。

そんな日々が続きました。

気づけば、借金は200万円近くに膨れ上がっていました。

転勤を終え、地元・関西に戻ってきても、一度壊れた心は落ち着きを取り戻せず、僕はまたしても夜の街に逃げ込みました。

そしてついに、借金は500万円の大台に達したのです。

最後の快感と、リボ払い地獄の果てに

お金を使う瞬間は、いつも二つの感情が渦巻いていました。

高揚感と、「どうせもう返せないな」という諦め。

それでも、その刹那的な楽しさの中で、出会い、付き合うことになった彼女もいました。

しかし、首が回らなくなった僕の借金は、当然のように彼女にも大きな迷惑をかけることになります。

返そうと思っても、膨らみ続ける借金。来月に回す、その場しのぎの繰り返し。

僕は、出口のない「リボ払い地獄」に完全に囚われていました。

「もう、どうでもいい」

そう思うほどに、自分のことが嫌いになりました。

金銭感覚が完全にバグり散らかした僕が、まともな人間に戻るためには、もはや、全てを一度失うしか道は残されていなかったのです。

これは、僕の「第一章」の終わり

これが、僕が借金500万の沼に沈むまでの、全記録です。

浪費は、意志の弱さだけが原因ではありません。

ストレス、孤独、現実逃避…様々な要因が絡み合い、人を蝕んでいきます。

次の記事では、このどん底から、僕がどうやって「自己破産」という決断を下し、人生の第二章をスタートさせたのかをお話ししようと思います。

もしあなたが今、同じような沼でもがいているなら、どうか覚えていてください。

どんなに深い沼の底にも、必ず、光は差します。

良かったらXフォローしてくれると嬉しいです。

情報共有とかできたらと思います。

きなこ

おすすめ(おもろいの)

-コラム・失敗談, ライフスタイル, 学びと話