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「歩くだけでお金がもらえる」で有名なSweatcoin。検索窓に入れると、候補に「換金」「日本円 換金」「稼げない」「どれくらい稼げる」が並ぶ。みんな気になっているのは結局そこ、つまり歩いた分は本当にお金になるのかという一点だ。
そこで、公式発表と公開されている価格データだけを使って、忖度なしで計算してみた。先に断っておくと、私は今回アプリを使って歩いたわけではない。体験談ではなく、誰でも確かめられる数字だけで話をする。
結論から言う。
- 1日1万歩を毎日続けても、無料プランで稼げるのは最大でも年20円ほど(2026年10月6日の価格で計算)
- SWEATトークンとSweat Walletは、2026年12月30日で今の形が終わる(10月1日に公式発表)
- ネットでよく見る「Bybit経由で日本円に換金」という手順は、BybitがSWEATを上場廃止したので、もう使えない
- やっておくべきことは、12月18日までに秘密鍵をバックアップし、SWEATを受け取っておくこと。金額が小さくても、放置すると手が出せなくなる
順番に見ていく。
まず整理:「sweatcoin」と「SWEAT」は別物

ここがややこしいので最初に整理しておく。Sweatcoinには、名前の似た通貨が2つある。
- sweatcoin(アプリ内通貨): Sweatcoinアプリの中で貯まるポイント。アプリ内のマーケットで商品やサービスと交換する仕組みで、現金化するためのものではない
- SWEAT(仮想通貨): 別アプリ「Sweat Wallet」で受け取る暗号資産。取引所で売れば、理屈の上ではお金になる
「換金」の話になるのは後者のSWEATだ。そして今回終了が発表されたのも、このSWEATとSweat Walletの方。公式発表には「アプリ内通貨のsweatcoinや、Sweatcoinアプリの活動には影響しない」とはっきり書かれている。アプリ自体は別会社(Sweatco Ltd)の運営で、これまで通り続く。
何歩で1 SWEATもらえるのか:公式は「固定の数字はない」
2022年9月にSWEATが始まった時点では、約1,000歩で1 SWEATだった。ところが公式ヘルプによると、この比率は固定ではない。時間が経つほど、1 SWEATに必要な歩数が増えていく設計になっている。ビットコインの半減期を、少しずつ進めているようなものだ。
公式は「最新の値はSweat Walletアプリで確認して」としていて、今の数字をサイト上では出していない。海外のレビューを見ても「5,000歩以上」「7,500歩以上」「50,000歩以上」とバラバラだ。
なので、この記事ではいちばん甘い「5,000歩で1 SWEAT」でも計算し、そこから厳しくなった場合も表に並べる。甘く見積もっても少ない、というのがポイントになる。
もう1つ大事な条件がある。無料プランで歩数がSWEATになるのは、1日のうち3,000歩目から10,000歩目までだけだ。2024年7月からこうなっている。つまり1日1万歩歩いても、カウントされるのは7,000歩。有料のPremiumプランなら0歩目から20,000歩目までが対象になる。
生データで計算:1日1万歩、1年続けた場合
SWEATの価格は、CoinGeckoのデータで1 SWEAT=約0.0403円(2026年10月6日)。1円にするには約25 SWEATが必要だ。
| 1 SWEATに必要な歩数 | 無料プラン(1日1万歩) 1日の獲得 |
無料プラン 1年でいくら |
Premium(1日2万歩) 1年でいくら |
|---|---|---|---|
| 5,000歩(甘め) | 1.4 SWEAT | 約20.6円 | 約58.9円 |
| 7,500歩 | 0.93 SWEAT | 約13.7円 | 約39.3円 |
| 10,000歩 | 0.7 SWEAT | 約10.3円 | 約29.4円 |
| 50,000歩(厳しめ) | 0.14 SWEAT | 約2.1円 | 約5.9円 |
1年間、毎日欠かさず1万歩。それでいちばん甘い計算でも約20円。缶ジュース1本にも届かない。Premiumで毎日2万歩歩いても、60円に届かない。
しかもこれは、価格が今のままで、1年間ずっと続けられる場合の話だ。実際には12月30日で今の仕組みが終わるので、1年も続かない。今日から公式の推奨期限の12月18日まで(73日)、無料プランで甘めの条件で歩き続けたとしても、増えるのは約102 SWEAT、約4円だ。
なぜここまで安くなったのか:1年で価格が8分の1
「昔はもっと稼げたのでは?」と思った人は正しい。同じ条件(無料プラン・5,000歩で1 SWEAT)でも、1年前の価格(1 SWEAT=約0.326円)なら年166円ほどになっていた。
- 1年前(2025年10月): 約0.326円
- 2026年1月: 約0.212円
- 2026年4月: 約0.056円
- 2026年10月6日: 約0.040円
1年で約88%の下落だ。2022年9月の最高値(約0.09ドル)と比べると、99%以上下がっている。
そして、価格の下落と同時に「売る場所」も消えていった。
換金ルートが次々に消えた:Bybit・OKX・Bitvavoが上場廃止
日本語で「Sweatcoin 換金」と調べると、だいたい次の手順が出てくる。
Sweat Wallet → 海外取引所(Bybitなど)でSWEATを売る → 国内取引所に送金 → 日本円で出金
この手順は、今はもう成り立たない。2026年に入ってから、主要な取引所がSWEATの取り扱いを次々にやめている。
- Bitfinex: 2026年3月4日に取引終了
- OKX: 2026年3月に上場廃止
- Bybit: 2026年5月に上場廃止を発表
- Bitvavo: 2026年10月7日に取引終了、残った分は10月15日までにユーロへ自動換金
Sweat Foundation自身も、終了の理由の1つとして「SWEATの取引所での上場を失ったこと」を挙げている。
では今どこで売れるのか。CoinGeckoの取引所一覧(10月6日時点)に残っているのは、Kraken、Bitget、Mercado Bitcoinと、いくつかの分散型取引所(DEX)だ。日本の取引所は1つもない。
残っている海外取引所も、日本に住む人にとっては使いにくい。
- Kraken: 2023年1月31日に日本でのサービスを終了し、金融庁の登録も外している。仮に使えたとしても、SWEATの最小注文は15,000 SWEATとされる。無料プランで甘めの計算(1日1.4 SWEAT)だと、15,000 SWEAT貯めるのに約29年かかる
- Bitget: 金融庁から無登録営業で警告を受けていて、2026年8月に日本からの撤退を発表した。11月から日本居住者の取引を制限する
DEXでほかの通貨に交換する方法は、仕組みの上では残っている。ただ、数十円分のSWEATを動かすために、送金手数料と手間をかけ、さらに交換した先の通貨を国内に戻す必要がある。手間と手数料の方が、受け取る金額より大きくなる可能性が高い。
12月30日に何が終わるのか:公式発表の中身
2026年10月1日、Sweat Foundationは「Sweat WalletとSWEATトークンは、今の形では2026年12月30日に終わる」と発表した。理由として挙げているのは次の4つだ。
- 長引く仮想通貨市場の低迷
- SWEATが取引所での上場を失ったこと
- 2026年4月のセキュリティ事故への対応コスト(ユーザーの残高は全額復元済み)
- 新規ユーザーの伸びの鈍化
スケジュールはこうなっている。
- 10月1日: 発表。サービスはひとまず通常通り
- 10月15日まで: Grow Jar(SWEATを預けて増やす仕組み)の最低預け入れ期間を撤廃。いつでも引き出せるようになる
- 12月第1週: 12月30日以降どうなるかを公表
- 12月18日: ユーザーの作業を終えておくよう推奨されている期限
- 12月30日: Sweat WalletとSWEATトークンが今の形で終了
12月30日以降、受け取っていないSWEATやGrow Jarの残高は、ユーザーそれぞれのNEARアカウント(SWEATが動いているブロックチェーン上の口座)に送られる。トークン自体がすぐに消えるわけではない。ただ、そのNEARアカウントを開く鍵を持っていなければ、手が出せなくなる。
Sweat Walletを入れている人が12月18日までにやること
公式が挙げている作業は4つだ。
- 秘密鍵とNEARアカウントIDを安全な場所にバックアップする(いちばん大事。これが無いと、12月30日以降に送られてくる残高を動かせない)
- アプリ内で、まだ受け取っていないSWEATを全部受け取る
- Grow Jarに預けている分を引き出す(10月15日までに最低期間の縛りが外れる)
- Ethereum・Base・BSC・Arbitrum上にSWEATを置いている人は、別のウォレットに移す
金額はたぶん小さい。それでも、持っているものを自分で動かせる状態にしておくことに、損はない。12月第1週には、12月30日以降の扱いが追加で発表される予定だ。それを見てから、売るか持っておくかを決めても遅くない。
じゃあSweatcoinはもうやる意味がないのか
「お金を稼ぐ手段」として見るなら、正直、意味はほぼない。1日1万歩で年20円、しかも日本円にする道がほとんどない。時給に直す気にもならない。
ただ、アプリ内通貨のsweatcoinは今回の終了と関係なく続く。歩く習慣のおまけとして、アプリ内の特典をたまにもらう。そう割り切れる人なら、続けても損はしない。逆に「稼ぐため」に歩数を気にしているなら、その時間は別のことに使った方がいい。
このブログでは、ほかにも「歩く・動くと稼げる」系のアプリを数字で検証してきた。位置情報ゲームのアトラスアースでは、月30ドル稼ぐのに8年かかる計算になったし、トリマ・ビットウォーク・アトラスアースの比較もしている。並べてみると、「歩くだけ」「放置するだけ」で大きく稼げる仕組みは、だいたい長続きしない。仕組みの終わりは、いつも価格と取引所から始まる。
12月第1週の続報が出たら、また数字で確かめて書く。ではまた。
参考にした情報(2026年10月6日確認)
- Sweat Foundation公式発表「Sweat Wallet and the SWEAT token as they exist today end on 30 December 2026」
- Sweat公式ヘルプ「How much $SWEAT can I earn a day?」
- Sweat公式ヘルプ「How many steps do I need to mint one $SWEAT?」
- CoinGecko:Sweat Economy(SWEAT)の価格・取引所一覧
- OKX:SWEAT現物取引ペアの上場廃止のお知らせ
- Bybit:Delisting of SWEAT
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